『技術経営(MOT)』イノベーションのプロセス「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」【5分でわかる】

この記事ではこんな方にお勧めです

技術経営について勉強を始めた

技術経営(MOT)におけるイノベーションのプロセスについて知りたい

「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」ついて知りたい

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もしかして技術経営が学べる本を知りたいと考えていませんか?

本記事では以下の内容について解説します。(目次)

イノベーションのプロセス

概略図:イノベーションのプロセス

イノベーションのプロセスは大きく3つの段階に分けられます。

それは「研究・技術開発」「製品開発」「事業化」の3つです。

技術経営(MOT)におけるイノベーションについては下記の記事にまとめてあります。
『技術経営(MOT)』イノベーションとは【5分でわかる】

① 研究・技術開発活動

製品のベースとなる要素技術の開発。

② 製品開発

販売するための新製品の開発。

③ 事業化

新製品を市場に投入し、その市場を開拓、拡大する。

収益化する仕組みを作ることで安定的な収益の確保を目指していく。

成果獲得までは一方的な流れで進むのではなく、これらのプロセスが同時進行や反復しながら実現していきます。

イノベーション・マネジメントでは企業はどのフェーズを自社・他社で行うのか見極めるのが重要になってきます。

特に研究・技術開発のフェーズは大学や公的研究機関などで行われることもあります。

イノベーション・マネジメントについてはこちら
『技術経営(MOT)』イノベーション・マネジメントとは?その意義や価値【5分でわかる】

立ちはだかる関門

イノベーションのプロセスにはいくつかの関門が存在します。

それは「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」の3つです。

それぞれ説明していきます。

第1の関門:魔の川

まず魔の川は研究・技術開発から製品開発段階への移行の間に生じる大きな関門です。

具体的には大きな資源を投入した割に、それに見合うような新技術を生み出すことができなかったなどの失敗があげられます。

また仮にどんなに優れた技術を生み出しても、新製品にその技術を結びつけられなければ意味がありません。

第2の関門:死の谷

次に死の谷は製品開発から事業化段階への移行の際に生じる大きな関門です。

魔の川を突破した後に待ち受けるのが死の谷です。

この関門では具体的な製品を生み出すことができないと、突破したとは言えません。

ただ新しいものを生み出すだけでは顧客には受け入れてもらえないので、顧客のニーズを満たすような新製品を開発しなければなりません。

第3の関門:ダーウィンの海

最後にダーウィンの海は事業化から成果獲得までの道のりに生じる大きな関門です。

ここでは競合他社との戦いとなります。

市場を立ち上げればそのあとに参入してくる企業はたくさんあります。

市場規模が小さい最初の頃は企業間でも協力関係にあることが多いですが、その市場が拡大すると協力関係にあった企業も競う相手となります。

その中でも生き残っていくためには、先ほどか書いた収益を安定的に生み出す仕組みを作り上げることがとても重要になってきます。

まとめ

これらのことからイノベーションのプロセスのマネジメントには以下のようなこが重要になってきます。

開発した技術を顧客のニーズに結び付け製品化すること。

開拓した事業を拡大させ競合他社に勝ち続けるには、安定した収益を獲得できる仕組みづくりを行うこと。

技術経営についてもっと知りたい方のためにお勧めの本を下記にまとめましたのでご覧ください。

MOT(技術経営)でおすすめの本:3冊

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