『鋼の錬金術師』エドの義足の種類とは?
最近「鋼の錬金術師」を読み返して改めてエドの機械鎧がかっこいいと思った。機械鎧の手と普通の手を合わせて錬金術を使うシーンが有名だけれど何度見ても何が錬成されるのか楽しみだし、よく戦いの最中で機械鎧が壊されるとどんなパーツでできているのか細かく書き込まれていてリアリティがある。こんなふうにどちらかというと腕の機械鎧に目がいくことが多いが今回取り上げたいのはエドの足の機械鎧だ。お母さんを甦らそうとした代償に片足を真理に持ってかれたエド。それの代わりとして機械鎧の義足をつけたが、それは現代の義足の種類でどれにあたるのか?
義足の種類
義足の種類とは何で決まるのかというと「足の残っている長さ」だ。4種類ほどあるのでそれぞれ紹介していきたい。
足根義足
足首の関節から下がない人用。
下腿義足
膝はあるけど、その下から足がない人用。足部(足部分の部品)とソケット(切断部位と義足をつなぐ部品)などと組み合わせて使うことになる。
大腿義足
膝より上、太ももの部分から足がない人用。脚の機能を代替するために膝義足という継手を組み合わせて使われます。
股義足
足の付け根からない人用。膝義足と足部を組み合わせて使うので全体のバランスを考えたセッティングが重要だ。
エドの足は…
結論から言うとエドの足は画像からもわかるように膝も機械鎧でできているので大腿義足に当てはまる。ちなみにここまで挙げてきた義足は特に機能がついているわけではないが、最近はコンピュータが体の動きを予測し関節のモーターを動かすサイボーグ義足もできている。機能的に言えばこちらの方がエドの足に近いだろう。
サイボーグ義足とは?
サイボーグ義足は先ほども説明したがコンピュータで体の動きを予測して関節のモーターを動かしてくれる。歩行にはかかとや膝の関節がスムーズに曲がることが重要だから、この技術によってより楽に歩くことができると言われている。この写真のサイボーグ義足はソニーコンピュータサイエンス研究所とXivorgが共同で開発したものだ。
Xivorgは2014年5月に遠藤謙氏によって設立された企業で競技用義足やサイボーグ義足を開発している。今まで競技用義足といえばアイスランドのオズール社、ドイツのオットーボック社が圧倒的なシェアを誇り、リオパラリンピックでもほとんどの選手がどちらかの製品を身に着けた。そんななかXivorgの製品を身に着けて競技に出場した佐藤選手は注目の的だった。なにせパラリンピック400mリレーで銅メダルを獲得した選手の義足が設立されてからわずか2年のベンチャー企業が開発したものだったからだ。その後Xivorgは2017年、2015年・2016年の全米選手権チャンピオン、ジャリッド・ウォレス選手と競技用義足の共同開発・提供を行う契約を結んだ。設立からわずか3年でXivorgの義足は世界で活躍する選手に認められるようになった。
このように競技用義足で世界的に有名になったXivorgだけれど、サイボーグ義足はどのように作ってどんな人が使っていくのだろう。今回の記事ではそれについては書かないが、言うなれば(ちょっと強引かもしれないけど)Xivorg社は現代におけるピナコ婆ちゃんやウィンリみたいなものだから、これからどのような義足を開発していくのか注目したい。
参考文献
斎藤多加子(2019)『楽しく知ろうバリアフリー からだを助ける道具 あったらいいな、こんな義足』汐文社 p13、p20-21
1999年生まれ。大学生。
日本文学を専攻しています。
ここではおもに映画やアニメの感想を挙げていくつもりです。
ブクログの方で本の感想も見ることができるので、そちらもご覧ください。