『技術経営(MOT)』「テクノロジー・プッシュ」vs「ディマンド・プル」とは?【5分でわかる】

この記事ではこんな方にお勧めです

技術経営について勉強を始めた

技術経営(MOT)におけるイノベーションの生み出され方について知りたい

「テクノロジー・プッシュ」「ディマンド・プル」ついて知りたい

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もしかして技術経営が学べる本を知りたいと考えていませんか?

本記事では以下の内容について解説します。(目次)

イノベーションのきっかけ

大きく2つの要因(きっかけ)によってイノベーションは生み出される。

これらは、需要側と供給側の2つの視点の考え方の違いにある。

1つは企業側、つまり供給側である技術を重視する考え方であり、
これを「テクノロジー・プッシュ(technology-push approach)」という。

もう1つは消費者、つまり需要側である市場のニーズを重視する考え方であり、
これを「ディマンド・プル(demand-pull approach)」という。

これらを具体的に下記で説明していく。

技術経営(MOT)におけるイノベーションについては下記の記事にまとめてあります。
『技術経営(MOT)』イノベーションとは【5分でわかる】
『技術経営(MOT)』イノベーション・マネジメントとは?その意義や価値【5分でわかる】

テクノロジー・プッシュ(technology-push approach)とは?

テクノロジー・プッシュの考え方とは、
技術進歩によって新製品が開発され、それによってイノベーションが生じる」というものである。

この考え方は後述するディマンド・プルのような「市場のニーズを満たすための技術開発によって利益を生み出す」ような動機ではない。

ただ純粋に技術者の好奇心や探求心によって技術が生み出され、それがイノベーションを生み出すきっかけとなる。

つまり、イノベーションのトリガーは、技術進歩によってもたらされる技術機会であるといえる。

このような考え方は、イノベーション論の元祖である経済学者のシュンペーターまでさかのぼる。

彼はニーズが満たされることでイノベーションが完結すると認めながらも、技術革新が最初にあると主張している。

ディマンド・プル(demand-pull approach)とは?

ディマンド・プルの考え方とは、
市場のニーズがきっかけとなり研究や技術開発が行われ、イノベーションが生まれる」というものである。

つまり必要は発明の母のように、市場のニーズがイノベーションのトリガーとなるといえる。

このような考え方は、イノベーション論の初期の経済学者のシュムクラーまでさかのぼる。

彼は市場のニーズか技術かのどちらもなくては完結しないものであり、「ハサミのどちらの刃で紙を切ったか」のような議論に等しいとしたうえで、どちらかといえば市場のニーズが先であると主張した。

結局、どちらが重要なのか

結論を述べると、これらはの2つはどちらも重要であり、イノベーションを生み出す動機に相互に影響を与えるものと言えます。

例えばドローンなどは昔から考案されていましたが、当時はモーターが重く、性能も低かったため実現することができませんでした。

しかし、技術が進歩したことによって小型ドローンを実際に作ることが可能になりました。

このように、市場のニーズがあったとしても技術の進歩がなければ、イノベーションを実現することはできません

また逆もしかり、ペニシリンのように開発した当時は必要ないと思われても、感染症を直すために必要になるというニーズが生まれなければイノベーションも実現しなかったでしょう。

しかし、企業は利益を生み出せねければならないという性質上、ニーズのない事業を進めようとは思わないでしょう。

仮にその時にはなかったとしても、開発した新技術が何かしらのニーズに結ぶつくと考えて研究や開発が行われるはずです。

このように実際のイノベーションは「テクノロジー・プッシュ」と「ディマンド・プル」のどちらかがトリガーとなってイノベーションが実現することは稀であり、相互が影響を与え合います。

技術経営についてもっと知りたい方のためにお勧めの本を下記にまとめましたのでご覧ください。

MOT(技術経営)でおすすめの本:3冊

原拓志・宮尾学編(2017)『技術経営 (【ベーシック+】)』中央経済社

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近能善範・高井文子(2011)『コア・テキストイノベーション・マネジメント (ライブラリ経営学コア・テキスト)』新世社

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