「スーサイド・スクワット」を見て

出典:meideru blog

「スーサイド・スクワット」(2016)

デビット・エアー監督

ウィル・スミス、マーゴット・ロビーなど出演

 この映画を見るのは二度目で、一度目は幼馴染と豊島園の映画館に見に行った。高校生だった私たちは学校は違ったけれど、家が隣だということもありそれなりによく遊んでいた。私が大学に進学し、彼女が専門学校に進学してからは特に彼女のほうが夢に直結する進路を選んでいて、学校での勉強のほかに独学で学ばなければならないことも多かったから、最近は食事に行くことはあっても遊びに行くようなことはなくなった。コロナウイルスでついに私のバイトも自粛に追い込まれ誰にも会えない日が続くとそんな高校時代を懐かしく思う。コロナウイルスが治まったらまたあのころみたいに幼馴染と遊びに行きたい。

 今回この映画をもう一度見ようと思ったのは続編「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」をまたしても豊島園に見に行って(豊島園の映画館は遊園地が雨であまり利用できないときのために上映作品も多くかなり充実しているので筆者おすすめ)おもしろかったからというのと、この作品ではハーレイ・クインがジョーカーと別れたあとのストーリーを描いているのだが、そもそもジョーカーと付き合っているときのハーレイ・クインってどんなふうだったのか思い出せなくて気になったから見てみることにした。

 この映画はアメコミに登場する悪役に「スーサイド・スクワット(自殺部隊)」というチームを組ませ、過酷なミッションに挑ませるアクションものである。

 「スーサイド・スクワット」のメンバーで目立つのはやはりマーゴット・ロビーとウィル・スミス。マーゴット・ロビーはジョーカーの右腕であり恋人のハーレイ・クインを演じた。このキャラクターはメイクと衣装が一番好きで、髪の先を赤と青に染めたツインテールやそれに合わせたメイク、ピタピタの長袖Tシャツにショートパンツ、全身に施されたタトゥーなどいかにもアメコミの悪役といった挑発的な恰好をしている。あのファッションでバッドを振り回して戦うところは痛快で非日常を味わえた。

 ウィル・スミスは百発百中の狙撃手デッドショットを演じている。仕事は利己的で完璧だが、離婚して別々に暮らしている娘を愛していて一緒に暮らしたいと思っているさなかバットマンに囚われベル・レーヴ刑務所に収監された。仕事と娘への愛情のギャップが人間らしくて作中のキャラクターで唯一共感できた。

 さらに「スーサイド・スクワット」のメンバーではないが圧倒的な存在感を放っていたのが、ジャレット・レトが演じるジョーカー。2019年に大ヒットした「ジョーカー」の主演ホアキン・フェニックスと比較して見ていたのだが、どちらも甲乙つけがたいほど魅力的で恐ろしかった。あえて二人の違いをあげるなら、ジャレット・レトの方がメインキャラクター、ハーレイ・クインに倣いメイクも衣装も派手にデザインされていて破滅的でありながら常に笑顔で余裕を感じさせるところが不気味である。対してホアキン・フェニックスは主人公がジョーカーになっていく過程を演じているので、衣装は至って地味でCGを使うようなアクションシーンも特にない。主人公ははじめ貧しく病んでいながらも人を笑わせることに希望を持ち生活しているのだが、映画が進むにつれて不幸が重なり自分のルーツを知ってしまってから壊れていく。理性のたがが外れていく様が痛々しくて目が離せない。「ジョーカー」もおすすめなのでぜひ見てほしい。

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