「グラン・ブルー」を見て

出典:TSUTAYA

「グラン・ブルー」(1988)

リュック・ベッソン監督

ジャン=マルク・バール主演

ジャン・レノ出演

 この映画は日経新聞のなんでもランキングで「海」をテーマにした映画を特集していたときに1位を獲得していて興味を持った。以前このブログでも取り上げた「レオン」もリュック・ベッソンが監督、ジャン・レノが主演を務めていて(リュック・ベッソンはジャン・レノを自分の映画に起用することが多い)とても面白かったから、この映画では特にジャン・レノがどのような演技をするのだろうかと期待して見ていた。

 ギリシャの街で幼馴染として育ったジャック・マイヨールとエンゾ・モリナーリは海に飛び込むことが好きだった。フランス人のジャックは控えめな性格、イタリア人のエンゾはガキ大将で親友という間柄ではないがお互い海の中の世界に魅了されていた。しかしジャックの父親が仕事で海に潜水したとき事故で亡くなってしまうと彼らの関係は疎遠になったようで(ジャックには母親がいないので両親共に失ったジャックはひょっとしたらギリシャを離れていたのかもしれない)、その後大人になりエンゾがダイバーとして世界チャンピオンになると自分のライバルはジャックしかいないと考え彼を探しに行き2人は再会する。大人になったジャックはというとペルーで働いていて、ローレンス博士に会いに来たニューヨークで働く保険調査員ジョアンナ・ベイカーと出会っていた。ジャックはエンゾに誘われダイバーの世界大会に出場するためにペルーからシチリア島タオルミナに行くのだが、ジャックに一目ぼれしていたジョアンナはどうしてももう一度彼に会いたくて仕事の理由をこじつけて同じ場所に行く。そこで競い合うジャックとエンゾ、それを見守るジョアンナの3人の友情と愛がこの映画では描かれている。

 「レオン」では寡黙な殺し屋を演じていたジャン・レノだが、今作では明るいイタリア人を演じていて驚いた。作中では自分が作ったスパゲッティしか食べるのを許さない母親を持っていて、レストランでジャックとジョアンナの3人でスパゲッティを食べているところを母親に見られそうになると「ヤバい よそでパスタを食ったら殺される」と言ってまだ料理が来ていないジョアンナに自分の皿を丸投げしている。しかも母親が近くに来て話している最悪のタイミングで本来はジョアンナの分のスパゲッティが運ばれてきて、1人だけ料理が目の前にないエンゾが凍り付くのだが、ジョアンナが機転をきかせ「腹ペコなの」と言って二皿目のパスタを食べ始める。コミカルなエンゾと優しくて気取っていないジョアンナのキャラクターが素敵だった。

 この後にもエンゾは世界チャンピオンになった自らの授賞式をすっぽかしして、自分の部屋に友人を招いて母親のスパゲッティをふるまうシーンがある。ジョアンナはあまり食べたくなさそうにするのだが、母親は前回彼女がもりもり食べるところを見て彼女を気に入ってしまったらしく、山盛りのパスタを持ってくる。そのパスタに全く具がのっているように見えなくて、麺を茹でただけにしか見えないのがまたおもしろかった。スパゲッティに強いこだわりがありそうなのに、母親はあまり料理が得意ではないのかもしれない。

 そんなふうなので「レオン」より「グラン・ブルー」の方が笑えるポイントが多い気がした。だけれども見る前に想像していたネイチャー系で穏やかな映画のイメージとはほど遠く最後の展開は「レオン」に劣らず悲しかった。ネイチャー系というのが必ずしも間違っているわけではないのだが自然の豊かさと同時に恐ろしさを思い知らされる作品だった。

グラン・ブルーを買う

 

コメントを残す